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ヨボ犬との散歩

2024.09.23

我が家の黒柴はなさんは2008年5月3日生まれなので、16歳半ば。
もうおばあちゃんで、目はほとんど見えず、耳も遠い。
三半規管がやられてからは、足もともおぼつかず、たまに足腰も立たなくなる。
ヨボヨボである。
今朝の散歩で気づいた。もうしばらくの間、はなさんとは目が合っていない。
まぁ目が見えないですからねぇ。
そうすると私はここしばらく、老犬を上から眺めることしかしておらず、彼女のゆれる体、ふらつく頭、震える足腰などをずっと眺めていたことになる。

ボケも始まっているようで。
前までは朝の5時半とか6時くらいに散歩をしていたのだけれど、今はクレート(ご存じない方はカゴみたいなもんだと思ってください。)の中でひと晩じっとしていられない。
4時には外出せ外出せとぎゃんぎゃん吠えまくる。ひどいときには2時ころから騒ぎ出すので、緊急の深夜さんぽに繰り出さなければならないこともある。
おかげで今は朝の散歩も4時台になってしまった。ちかごろ私は寝不足気味である。

そんなヨボヨボ犬だが、散歩に出るときはテンションは上がっているようで、クレートから出た瞬間に頭をブルブルと震わせる(犬がよくやる例のヤツ)。
しかし目が見えていないので、玄関先においてある自転車のタイヤとか車のバンパーとか門扉とかに頭をゴチゴチぶつける。
私のすねにもぶつけることがあるのだが、結構な衝撃である(いたい)。
普通人間だったら、どっかに頭ぶつけるとしばらく頭抱えてフリーズしたりするものだが、はなさんは何にもなかったように道路に出ようとする、つもりで右周りでよろけていたりする。
で、よろけたついでに段差を踏み外して、ガクッとなったりする。
朝の4時に思わず吹き出しちゃうのである。

でも本人は素知らぬ顔で、道路に歩き出そうとする。
テンションが上がっているので、ヨボヨボがチョロチョロくらいの足取りで歩き、なぜか直面したマンホールを避けるがごとく前足を上げた瞬間に、バランスを崩してマンホールに突っ伏してしまったりしている。
縁石を飛び越して、アゴから着地したりしている。で、ヨボヨボが止まったかとおもったら、ンコをしたりしている。
で、その場でまた右周りを始めて、私の両足をリードでからめとり、私のンコ拾いの邪魔をする。
昔は1時間近くしていた散歩も20分くらい、いや日によっては10分程度でヘタれてしまう。それでも散歩が終わると日の出前の真っ暗な庭でご飯をがっついて食べている。
エサの選り好みをしていたじきもあったが、今は関係ない。食い物だったら食うとしか思っていないみたい。そして寝る。死んでいるのかと見間違うばかりに寝る。

目が見えようが見えまいが、耳が聞こえようが聞こえまいが、ボケてようがボケてまいが、はなさんには関係ないように見える。
その場その場で、起きたことに反応しているだけ、一方で常に食うことと寝ることを期待している。
これが人間だったらどうなのだろうとか思うわけですよね。
人間はどうしても先のことを考える。起きていないことに怯えて、不安になって、自信をなくしてしまったりする。
はなさんは究極の楽観者だと思う。

だから最近のはなさんは面白くなって、より可愛いのだ。